August 2010

百の時を生きる一等寝台車の心―シエスタ

百の時を生きる一等寝台車の心―シエスタ

■「よっ、アリエス。ちょっとミズんとこで茶でもしていかない?」
シエスタ・ブリル
APb351 1
初代車体:地球世界ブリル社フィラデルフィア工場製
現車体:ストラトス世界シュタットフォード社製
車齢:103
新車体車齢:40
等級:一等
シエルブリーク357番編成一等車3両のうちの1両。
出身は世渡知らぬ異世界。シエスタがいた時代の出身世界ではもっとも豪華な客車だったが、目立った活躍はできぬまま姉妹もろとも事業用車に改造されようとしていたところをRSCRに引き取られその設備をフルに活用できる場を得た。現在の車体は二代目だが、歳を気にしているので通算年齢の話をするのは禁句。
出身国の気質か性格は大らかで姐御肌。
一等展望車のアリエスは新製配備以来シエスタの後ろに連結されていて、アリエスにとって最も頼れる姉である。

351系客車はシエスタを初めその姉妹と別の運命を辿った異世界同一客車の転生体から成るわずか10両の形式。また、全員がシエルブリークに所属している。
出身世界では登場はしたものの適切な定期運用の需要はなく、特別列車用に回っても表立った出番は見いだせずという悲運の客車だった。
357番編成に入る5人は事業用車格下げ直前にRSCRが引き取りようやく活躍の場を得ているが、あとの5人は事業用車格下げを経験し生き別れ、廃車後に先に引き取られていた姉妹の案内から再結集・転生という流転を経て活躍している。
元の車体は木造だった上に19m級だったことから40年前に現在の鋼製24m車に転生。主要機器はもちろん流用されているが、運用形態や需要に合わせて当時からの内装は一部変更されている。

■鉄道ファン誌2009年11月号から3カ月にわたって連載された記事に旧九州鉄道がアメリカ、ブリル社に発注した「或る列車」の記事があります。
シエスタさん初め351系客車10人は二つの運命を辿った或る列車本人です。
357番編成にそろって連結されているブリル姉妹5人は改造前にリオストからの拉致によって華やいだ活躍を経てここに居る5人。上で少し触れた5人はこの世界で事業用車格下げと生き別れを経験した、鉄道ファンに取り上げられた写真の人たち本人です。

連界鉄道を初め機械の心という形で鉄道擬人化絵を描いてきたこともあり、今生きる機械たちに最大限の幸せがあってほしいと願っています。
或る列車の5人をこうしてリオストに引き込んだ理由っていうのもまさにそれで、後から転入した5人は改造でそれぞれ門司・札幌・東京・神戸・仙台に生き別れてみんなバラバラに廃車されているのです。それも、本来の設備を発揮できぬままに。
離れて余生を生きるとき、あの人たちは何を思いながら廃車されていったんだろうと考えたときに、気づいたらこの世界のブリル姉妹もリオストに加わっていました。せっかく生まれたんだもの。最後は姉妹みんなで幸せであってほしいから。

この世界のブリル姉妹が先にリオストに行ったイラストのシエスタさんたちによってリオストに入ってゆく話もいつかは書きたいところです。

■現在非転生車の中では最高齢のアリエスさんは、ギャラクシア計画発動までの一時配備という形でシエルブリークに配備された時からシエスタさんの後ろに付いて来た過去を持ちます。
ずっと付いてきたからブリル姉妹、特にシエスタさんは一番慕うお姉さんです。
編成長として皆から頼りにされる一方で、シエスタさんを頼り、時に甘える時がアリエスさんが妹であれる時です。
こういう役って、大切なんじゃないかな。

描きたいもの描かなきゃいけないものが溜って行く一方ですが^^;
ブリル姉妹の後の4人はここで早いところ紹介したいですね。

連界鉄道備忘録

リオ・ストラトス連界鉄道のキャラをこのところ連続で出してるので形式付番や連界鉄道の基本情報などを書き綴っていきましょう。

■連界鉄道のこと。
この記事でも語りましたが、連界鉄道とは時空間に渡したトンネルを超えて世界間を結ぶ鉄道のことを言います。
時空に道を開き世界から世界へ移動する行為を「世渡(よわたり)」、またその旅人を「世渡人」と呼びますが、連界鉄道の車両たちもいわば世渡人の一員ということになりますね。

世渡の術が一般のものとして知れていて、異世界間の交流が盛んにある世界のことを「世渡(せいと)世界」と呼んでいますが、連界鉄道が結ぶのは主にこの世渡世界の間になります。

世渡の主流は今でも旅人が自らの魔術で時空に路を開き自らの力で超える昔からのやり方。
しかし、一人の術には限界も当然あります。

たとえばそれは、多くに人を一人の術で連れてゆくとき。
たとえばそれは、多くの荷物を携帯するとき。
また、時空を超える術は魔術。すなわち、魔力を持たない者には叶わぬ能力なわけです。
それらを解決し、異世界間の交流をよりスムーズなものとしたのが連界鉄道です。

鉄道の一番の強み、それは「大量輸送」を実現できるということ。
連界鉄道は時空を超え文化を繋いだだけでなく、物流をより活性化し、また多くの人々を一度に世渡させることができるようになりました。
そして、乗るだけなら魔力を必要としない。魔力を持たぬ人にも世渡の機会が与えられました。

連界鉄道の登場がきっかけとなり、世渡世界間の繋がりはより加速し、多くの交流が生まれるようになりました。

今日も、時空間に通された空間軌道には旅客、貨物ともに多くの列車が行き交います。
多くの想い、幸せ、いろいろなものを乗せながら。

■七つの大手連界鉄道
ここで描いてきたキャラは皆「リオ・ストラトス連界鉄道(RSCR)」の所属です。
リオストは連界鉄道の中でも最大手にして最大規模の私鉄になります。
また、多くの世界を連なり結ぶという意味を込めて「連界鉄道」という呼称を初めて名乗った鉄道でもあります。

まだ全ては語りませんが(設定も煮詰まってないので^^;)、連界鉄道はリオストを筆頭に7つの会社が規模的・歴史的に大手とされ世渡世界の鉄道ネットワークに大きなウェイトを占めています。
リオストは車両面性格面の方向性を特に定めていない(つまりカオス)のですが、他の大手連鉄はアメリカ型、欧州型、ロシア型といった要領で属性を定めた形でありたいなと思ってます。
これら大手は貨物・旅客ともに盛んに直通が行われ、よほどの例外がない限り寸法などの規格は統一されています。

車両限界は大陸の大き目規格。こぢんまりした日本型はちょっぴり肩身が狭いかもしれませんねw
規格面で一番重要であろう軌間(線路幅)はこの世界でも広く採用されるいわゆる標準軌、1435mmで統一されています。
これは大手に限らずそれらへの直通が考慮された地方鉄道にも広がっています。ただ、たまに1520mm(シベリア鉄道などで採用の広軌)で途中の台車履き替えを要する区間もありますけどね^^;

また、ローカル連界鉄道などで標準軌を採用していない私鉄もあるようです。

■RSCR形式規則
さて、ここからリオストに的を絞った話になります。
鉄道の形式名は用途などを端的に表すためにいろいろ奥の深いものが使われているものですが、リオストでも形式名は固有のものが採用されています。
まずオルカの形式を例にとってみましょう。

CP510 2176

最初の「C」はその客車の等級を表します。
オルカは三等車なので三番目の「C」。
なので、二等車は「B」、一等車は「A」が付番されます。
この他の形式。
R 食堂車(RestaurantのR)
S 職用車(StaffのS) 主に長距離列車などに連結する乗務員控室車や電源車などに付番されます。
L 荷物車(LaggageのL)
O 郵便車(pOstのO)
・・・こんなところかな^^; 思いだしたら追加していくかもしれません(コラ

二番目の「P」は「Passenger」のP。旅客用客車であることを表します。
荷物車や郵便車など乗客を乗せない車両も客車に含まれるので、それらと区分する意味合いがあります。なので、荷物車郵便車にPは付きません。

オルカには付きませんが、この他用途に応じて三番目の英字付番があります。
b 寝台車(bedのb)
d 二階建て(doubleのd)
例えば三等寝台車になると「CPb」となります。

数字の百の位はその客車の重量に応じて決められています。
日本の客車でも重量に応じて軽い車両から「コホナオスマカ」の順で形式が付番されていますが、リオストの客車は軽い車両ほど百の位が大きくなるように設定されています。
詳しい基準はまだ決めていない状況(ヲイ)なのですが、今のところは国鉄のカタカナ形式を投影して数字を7段階で決めています。
オルカのモデルとなったナハフ11を基にして「ナ=5」です。
・・・これは早いところ詳しい基準を決めて置かなきゃいけませんね。

十の位以下は形式。重量番号に応じて決められます。
そしてオルカの2176は製造番号。つまり、その子が形式の中で何番目の姉妹なのかを表しています。
国鉄などでは試作車に900番台が与えられているので長女が「901号」となっている場合が多くありますが、リオストでは試作車も含めて長女を必ず1番にして通し番号にしています。

他電車、気動車、機関車にもそれぞれ形式付番が定められていますが、それらは今回は割愛。

■長ったらしいうえにかなり専門的な話も入りましたが、基本的に連界鉄道話は架空鉄道のなかでも一際解りづらい擬人化ジャンルで進めているので、架空鉄道として設定を楽しむ側面は残しつつ、機械の心と乗り込む他の種族との交流を何より優先させています。その方が鉄道を知らない人にも入り込みやすいかなと思うので。

今回はここまで。次はキャラを紹介できればと思います。

流転しつる郵便車、明るき双子の妹。

流転しつる郵便荷物車の心―スユニ
「昔と比べると魔術で仕分けもできちゃうから楽だね。それに、自分が郵便の仕事に入れるのが何より楽しいよ」
■スユニ・フルカ(伊勢撫子)
LO360 645
旧スユニ60 45
改造:日本車両
車齢(RSCR転入から):27
用途:郵便・荷物輸送
シエルブリーク357番編成に連結される郵便荷物車に宿る機械の心。
元々は世渡を知らぬ世界の出身で、郵便荷物輸送の廃止で運命をともにせんとしていたところをRSCRに引き取られ、思わぬ形で時空に出た。
撫子というのは出身世界での本名で、現在の名は元の形式名称と異世界からの転入車が最初に踏み入れる町「降霞(ふるか)の里」に由来している。転入からの歳は30年足らずだが、出身世界では木造三等車からの転生を経験し通算年齢は70を越える。それ故穏やかで物静かな性格。しかし、腐女子な一面も。RSCR大連界本線の通る世渡世界「アルザス」には同名同業の友人がおり、郵便物の受け渡しなどを通して他の357番編成メンバーとも親しい関係を持っている。

LO360形はオリジナル車と世界「地球」の一国で廃車され転入してきた車両から成る郵便荷物車。600番台が転入車にあたり、形態や全長などに細かな違いがある。転入車は皆木造客車から転生して現在の車体を得ていて、その改造方法から自身の先輩の魂も宿す複雑な経歴を持つ存在。

明るき新米の妹―ナナ
「ねーねオルカ!今日は何してあそぶー?」
■ナナ・シエルブリーク
CP510 2177号
リオ・ストラトス連界鉄道リオ管理局車両工場製
車齢:0
等級:三等
オルカ・シエルブリークと共に357番編成に新製配備された双子の妹。姉であるオルカと共に357番編成の家族として過ごしてゆく。
穏やかなオルカに比べナナは活発で奔放。編成のいいムードメーカー(時にトラブルメーカー)となっている。
生まれてからずっと隣り合わせのオルカのことが誰よりも好き。
攻め。

オルカの双子の妹とあって、形式はもちろんCP510形。オルカの続き番号を与えられている。
オルカは旅客車の先頭に立つ目的から車掌室を設けたいわゆる緩急車となったが、ナナは完全な車掌室を設けないとなり構造は若干異なっている。

■親実家に帰省している間に完成させたイラストです。
撫子さんは国鉄の天王寺鉄道管理局に所属し伊勢で活躍していた車両です。大正期~昭和初期の間に三等客車ナハ23069号として誕生。後に鋼製のスユニ60 45号に転生という経歴を持ちます。転生前は17m、転生後は20mの車体で、延長に当たり明治後期~大正初期の先輩車両から切り分けた台枠をもらっているといいます。つまり、大正生まれながら明治時代の車両の魂も宿す複雑な経歴の人です。
ナナは見ての通りですw
357番編成の車両は短い人で16m、長い人は25,5mと幅広い人がごっちゃになってます。
カオスで個性の強い面々がそろった楽しげな編成を目指してます。

ふたりいっしょに

ふたりいっしょに


■オルカ・シエルブリーク(左)
CP510 2176
リオ・ストラトス連界鉄道リオ管理局車両工場製
車齢:0
等級:三等
シエルブリーク管理局の急行用客車編成357番に新製配置されたばかりの客車に宿る機械の心。同時に製造された双子の妹ナナ・シエルブリーク(CP510 2177)と共に357番編成に配置され、編成の仲間や乗客乗員たちと心を通わせてゆくことになる。
少し抜けたところもある穏やかな性格で、口調も丁寧。
新米とだけあってナナと共に編成内では可愛がられている方。あだ名は「オルちゃん」

CP510形客車は、客車編成の長大化による機関車への負担軽減などから従来の客車より軽量化を図った標準型客車の草分け。
強く、軽く造られた車体はその後の形式に影響を与え、ルーツとなったこの形式自体も今なお増備と派生の続くベストセラー客車。

リオ・ストラトス連界鉄道(RSCR)の客車はほぼ全員が長女(トップナンバー)から通し番号を与えられるので、オルカはいわば「2176女」ということになる。

■アリエス・シエルブリーク(右)
AP239 11
ストラトス世界、シュタットフォード社製
車齢:78
等級:一等
転生(車体などを更新し新車に生まれ変わること)を経験していない客車の中では最年長に当たる357番編成最後尾の一等展望車に宿る心。
機械の心から選ぶ編成長を務め、皆から頼りにされている。
おっとりした優しい性格から乗客の人気も高い様子。
読書と編み物を趣味とし、特に本に関しては展望室に置いた本棚が足りなくなるほどの蔵書を誇り「アリエス図書館」とまで呼ばれる程。
オルカを「オルちゃん」と呼び始めた最初の人。

AP239形客車は、RSCRが自社を初め7つの大手連界鉄道を一つに結びそれらの集束する世界ストラトスを起点として循環運転する超特急「ギャラクシア」の専用客車として生まれ、アリエスは運転開始までの一時的措置としてシエルブリークに配備された。
しかし、直通運転のための折り合いや整備面の客車への負担を解決できずに計画は凍結し、以来そのままシエルブリークで急行用一等展望車として活躍している。
計画の立ち上げから80年目を控え12編成分が製造されたギャラクシア客車たちはその多くが転生または引退を迎え、AP239形も原形のまま活躍するのはアリエスとその姉一人となってしまっている。

そういう意味で彼女はかなりの希少車で、博物館などからのスカウトを幾度となく受けているというが、357番編成で過ごす今を何より好みすべて断っている。

実は昔人間の恋人がいたらしい。

■のっけからかなりの長文になってしまいましたw
そして気づくと前の更新から開きまくりです^^;

前に此処の記事「急がない旅路」でお話しした「れんてつ」に登場のシエルブリーク357番編成から、一番最初の頃に描いた二人です。
話はオルカとナナが配備されて間もない頃から始める構想です。

オルカ車両単独

二人の実車イラストを載せます。これがオルカ。
オルカのモデルはそれまでの客車より軽量化した形式、国鉄10系客車のナハフ11形です。
実際の10系客車は過度に軽量化を求めた事が逆にあだとなり、窓枠からの雨水進入による車体腐食などから早くに廃車され保存車もほとんどないというなんともやるせない客車です。
しかし、かつては10系だけで編成が組まれるほど戦後客車列車の全盛で第一線に立った客車であり、結果はどうあれ画期的な車両だった事は事実であることから「軽量化の上汎用車両としても成功した客車」として連界鉄道に組み入れてみました。

アリエスさん車両単独

これがアリエスさん。
彼女のモデルは戦前に釜山から北京へ直通運転されていた急行「大陸」に投入された南満州鉄道の一等展望車テンイネ2形です。
3両中2両は北京鉄道博物館、1両が内装を復元されて瀋陽で日本人観光者向けに動態保存されています。

鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」のバックナンバーでテンイネの乗車記を読んで以来その優美なスタイルに一目ぼれし、一部デザインに手を加えて登場させてみました。
流線形の展望室が凄くいい味を出してるんですw

■357番編成はこの二人だけでなく、全長600mを超える長大編成になります。
その仲間はクセモノ揃い。
追ってここでも紹介して行こうと思います。

それでは、親の実家に帰省してくるのでここまで。

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