心やさしき伝説の人


■伝統と伝説に彩られた一族第二弾、3000形SE車に続いて登場したロマンスカー、3100形NSE姉さんです。
SE車の登場以来週末のロマンスカーは連日大盛況を博し、「切符が取れない」という苦情まで出るほど。そんな中ロマンスカーの増発とさらなる魅力をプラスするべく登場したのがNSE姉さんでした。
SE姉さんに続いて新宿~小田原1時間を目標とし、SE姉さんがが採用した軽量・低重心構造を踏襲する一方で、名鉄7000系パノラマカーで国内初登場した2階運転席、1階展望席のスタイルを採用し、現在に至るまで続く展望特急ロマンスカーの伝統に花を咲かせました。
長らく第一線で活躍の後、30000形EXE車に業務を托して99年にオリジナル車が引退、翌2000年にイベント車「ゆめ70」となった最後の1編成が引退しました。現在編成を短縮した1本が喜多見検車区に、先頭車1両が開成駅前に保存されています。
他の編成は、緑の連界鉄道に居るとかいないとか……(ry

■優美な流線形と優しげな顔立ちから他の車両たちを温かく見守るお姉さんキャラを想像しています。
NSE姉さんまでは高速化を追い求められるだけの余裕はまだあったようですが、この後は通勤主体・大量輸送時代へと移行し、次のロマンスカーとなるLSE車7000形まで軽量低重心構造が受け継がれることはありませんでした。
ただし、連接構造はVSE車まで続く伝統として継承。SE姉さんの伝統はまだ生きています。

■SE姉さんは生まれると同時に引退だったので会ったことは全くなかったのですが、NSE姉さんはおぼろげながら江ノ島線内ですれ違った記憶が残っています。
当時すでに引退秒読みで、さよなら装飾をまとって最後の力走を見せていた頃。
小さかったのではっきりした記憶はなかったりします・・・^^;

■前回お話した「小田急バーチャル鉄道博物館」の走行動画では祖師谷大蔵付近を快走する姉さんの姿が収録されています。日中のこの区間、急行線をゆく優等列車はみな最高速で飛ばして行きます。
ご本人の現役時代、わずかな期間ながら喜多見~和泉多摩川の複々線化は完了しており、wikipediaにも現在の梅ヶ丘のような喜多見駅の緩急分岐をゆく姿が掲載されています。
ということで複々線化後のすっきりした高架区間を行く姿は全くありえなかったわけではないようですが、それでも、複々線の効力をそれなりに発揮できるようになった現状を姉さんは見ることなく引退してしまっています。走行動画の中で祖師谷大蔵付近をかっとばす姉さんは何処か楽しそう。

やはり違和感無く溶け込む姉さんの姿をご覧あれっ