ふたりいっしょに


■オルカ・シエルブリーク(左)
CP510 2176
リオ・ストラトス連界鉄道リオ管理局車両工場製
車齢:0
等級:三等
シエルブリーク管理局の急行用客車編成357番に新製配置されたばかりの客車に宿る機械の心。同時に製造された双子の妹ナナ・シエルブリーク(CP510 2177)と共に357番編成に配置され、編成の仲間や乗客乗員たちと心を通わせてゆくことになる。
少し抜けたところもある穏やかな性格で、口調も丁寧。
新米とだけあってナナと共に編成内では可愛がられている方。あだ名は「オルちゃん」

CP510形客車は、客車編成の長大化による機関車への負担軽減などから従来の客車より軽量化を図った標準型客車の草分け。
強く、軽く造られた車体はその後の形式に影響を与え、ルーツとなったこの形式自体も今なお増備と派生の続くベストセラー客車。

リオ・ストラトス連界鉄道(RSCR)の客車はほぼ全員が長女(トップナンバー)から通し番号を与えられるので、オルカはいわば「2176女」ということになる。

■アリエス・シエルブリーク(右)
AP239 11
ストラトス世界、シュタットフォード社製
車齢:78
等級:一等
転生(車体などを更新し新車に生まれ変わること)を経験していない客車の中では最年長に当たる357番編成最後尾の一等展望車に宿る心。
機械の心から選ぶ編成長を務め、皆から頼りにされている。
おっとりした優しい性格から乗客の人気も高い様子。
読書と編み物を趣味とし、特に本に関しては展望室に置いた本棚が足りなくなるほどの蔵書を誇り「アリエス図書館」とまで呼ばれる程。
オルカを「オルちゃん」と呼び始めた最初の人。

AP239形客車は、RSCRが自社を初め7つの大手連界鉄道を一つに結びそれらの集束する世界ストラトスを起点として循環運転する超特急「ギャラクシア」の専用客車として生まれ、アリエスは運転開始までの一時的措置としてシエルブリークに配備された。
しかし、直通運転のための折り合いや整備面の客車への負担を解決できずに計画は凍結し、以来そのままシエルブリークで急行用一等展望車として活躍している。
計画の立ち上げから80年目を控え12編成分が製造されたギャラクシア客車たちはその多くが転生または引退を迎え、AP239形も原形のまま活躍するのはアリエスとその姉一人となってしまっている。

そういう意味で彼女はかなりの希少車で、博物館などからのスカウトを幾度となく受けているというが、357番編成で過ごす今を何より好みすべて断っている。

実は昔人間の恋人がいたらしい。

■のっけからかなりの長文になってしまいましたw
そして気づくと前の更新から開きまくりです^^;

前に此処の記事「急がない旅路」でお話しした「れんてつ」に登場のシエルブリーク357番編成から、一番最初の頃に描いた二人です。
話はオルカとナナが配備されて間もない頃から始める構想です。

オルカ車両単独

二人の実車イラストを載せます。これがオルカ。
オルカのモデルはそれまでの客車より軽量化した形式、国鉄10系客車のナハフ11形です。
実際の10系客車は過度に軽量化を求めた事が逆にあだとなり、窓枠からの雨水進入による車体腐食などから早くに廃車され保存車もほとんどないというなんともやるせない客車です。
しかし、かつては10系だけで編成が組まれるほど戦後客車列車の全盛で第一線に立った客車であり、結果はどうあれ画期的な車両だった事は事実であることから「軽量化の上汎用車両としても成功した客車」として連界鉄道に組み入れてみました。

アリエスさん車両単独

これがアリエスさん。
彼女のモデルは戦前に釜山から北京へ直通運転されていた急行「大陸」に投入された南満州鉄道の一等展望車テンイネ2形です。
3両中2両は北京鉄道博物館、1両が内装を復元されて瀋陽で日本人観光者向けに動態保存されています。

鉄道雑誌「鉄道ジャーナル」のバックナンバーでテンイネの乗車記を読んで以来その優美なスタイルに一目ぼれし、一部デザインに手を加えて登場させてみました。
流線形の展望室が凄くいい味を出してるんですw

■357番編成はこの二人だけでなく、全長600mを超える長大編成になります。
その仲間はクセモノ揃い。
追ってここでも紹介して行こうと思います。

それでは、親の実家に帰省してくるのでここまで。