絵に生きる三等車の心――セイラ

357-18 セイラ

■「アイラさん。……また、新作見てもらえますか?」

■セイラ・カザマツリ(風祭星羅)
サンドラに次ぐシエルブリーク357番編成、CP635 301号の心。
キサイチ・ミヤツカサの中間に位置する『静かの都』カザマツリの管理局に生まれ、キサイチ局を経て10年前の大異動でシエリスに移籍た。絵画が趣味で、車内の至る所に彼女の作品が展示されているほか、自室を拡げてアトリエとしている(当然ながら、その分定員が減っている)

同じカザマツリ出身にしてずっと同じ編成に所属しているアイラはだれよりも大切な存在で、ほとんどの時間を二人一緒に過ごしている。

357-18 セイラ実車

■CP635形
全長:20m
全幅:2.95m
全高:4m

43系のひと世代前に当たる標準客車。
三等車から一等車、荷物車から乗務員控室車まで一通りの形式が製造されたベストセラー形式のひとつ。
CP635 301号(セイラ)を始め一部の車両は高速列車用の試作台車を試験装備しており、得られたデータは後の高速列車にて結実している。

現在も、多くの車両が急行から普通まで幅広く活躍を続けている。


百合夫婦の奥さんの方、せーら姉さまです。モチーフは戦前最後の国鉄標準客車であるオハ35形です。
座席をつぶしてアトリエに改装した部分は拡張部の窓をHゴム支持の固定窓としています。
左から2~4つの明らかに違う部分がアトリエです。

オハ35形の一部には高速化を見越してテスト製作された台車を履いた車両が在籍していましたが、姉さまもその一つである『ゲルリッツ台車』を履いています。標準台車と比較すると乗り心地は良いらしく、揺れの少なさを生かして車内での制作に励んでいるようです。

そんな戦前派標準客車オハ35形ですが、津軽鉄道の『ストーブ列車』や大井川鐵道のSL急行にて現在も活躍を続けており、温かみのある木目調のオリジナル内装を持った車両が残っているようです。

本を愛する三等車の心――サンドラ

357-17 サンドラ


「サンちゃーん」
「……」
「おーい、サンドラ・シエルブリークさーん」
「……(ページをめくる」
「ね、気づかないでしょ? サンちゃんは読書に集中するとこうなんだよー」

■サンドラ・シエルブリーク
サリナに次ぐシエルブリーク357番編成三等車、CP630 421号の心。あだ名は「サンちゃん」。
サリナと同じく、書類上の手違いで357番編成に配属されてしまい、姉サリナと共に本来の用途とは違う長距離急行列車として活躍している。サンドラも長距離列車向けの装備を追加しているが、彼女はその際に医務室を追加している。

性格は姉とは対照的に物静かで控えめ。読書が好きで、たいていは客室か自室で何かしらの本を読んでいる。ひとたび読書に集中すると揺すっても耳元で騒いでも気づかない。
ちなみに、愛読書は一族の存亡をかけて戦う少女の生き様を描いた著者不明の大長編『アローザ・クロニカ』。

357-17 サンドラ実車


CP650形には緩急車(車掌室つき客車)と一般客車の2種類があり、サンドラは緩急車である。
緩急車には両方の連結面に車掌室をもつものと片方のみのものがあり、後者はRSCR固有車のみ。

一般車と同様一部にロングシートを備えた通勤通学輸送特化の客車だが、421号(サンドラ)はロングシートの撤去→自室へ割り当て、もともとの自室部分に医務室を設けるなどの改造を受けている。


前に連結の姉と共に長距離運用に就いた50系。過去に一度紹介しているサンちゃんです。サリナはオハ50ベースですが、サンちゃんは車掌室つきのオハフ50ベース。ただし、実際のオハフ50は両方の連結面に車掌室を持ちますが、サンちゃんはこれを片方とし、前寄り一番前の窓部分を医務室としました。
RSCRの列車は走行距離が長いので、保健室並みの設備を持った医務室が必ず設置され、医術師が乗務しています。

『アローザ・クロニカ』は、世渡世界では知らない人はいない大長編小説シリーズで、何部にも渡って長年刊行され続けています。
ちなみに、第一部の主人公イブの妹は………

近郊列車用にして長距離列車――サリナ

357-16 サリナ

■「結局近郊運用やったことないから知らないけどさー。今の運用は楽しいからいいんだ♪」

■サリナ・シエルブリーク
スズシロに次ぐシエルブリーク357番編成三等車、CP650 417号の心。オルカとナナが製造される1年前に配備された。
シエリス局管内の近郊列車用客車としてリオの車両工場で製造されたが、書類上の手違いで本線急行用編成の357番に配備されてしまった。何とか本来の用途に回ることも可能ではあったが、『別に長距離でもいいじゃん』なるサリナの鶴の一声で妹のサンドラともども長距離列車として生きてゆくことになる。

本来はWCなし、一部ロングシートの近郊仕様だが、この件でWC設置や座席交換などの改良を受け、同形式の中では珍しい特別仕様車となっている。

細かいことは気にしないおおらかな性格で、妹とは正反対である。

357-16 サリナ実車

■CP650形
全長:20m
全幅:2.8m
全高:3.8m

地球世界・日本国有鉄道にて廃車された車両とRSCRで増備された車両から成る客車形式。
故郷では内燃動車・電車の進出により比較的早く淘汰の対象となり、若くしてRSCR入りする車両が続出。
その車体構造から、近距離列車に特化した客車の標準形式として市民権を得ることとなった。

基本的に地方管理局の短距離客車列車を中心に活躍しているが、417号と421号は、書類ミスにより長距離急行向けの編成に配備されてしまったことから、WC・洗面所・給湯器等を設置し、長距離列車向けの装備を持つ珍車となっている。


過去に一度紹介している50系オハ50形ベースの人です。
50系は、当時まだ多く残っていた旧型客車の後継として開発された形式。国鉄時代は地方の通勤・通学列車などに活躍しましたが、国鉄からJRに転換されるとディーゼルカー・電車の進出による高頻度運転化などで若くして淘汰の対象となり、現在はイベント列車向けの改造車やエンジンを積んでディーゼルカー化された車両が現存しています。

オシ16(スズさん)との組み合わせは、当然ながら現実では見られなかった組み合わせ……ですよね?(
ちなみに、サリナ・サンドラ姉妹を357番に組み込むこととなったきっかけは、以前地元のオフハウスで入手したNゲージの50系(トミックス製の旧製品)です^q^
車番もその模型たち+400です。

ちなみに、本来357番編成に配属されるはずだった客車は中型車(20m級)では最新鋭の長距離急行向け客車。そんなガチ装備の車両を短距離に留めておくのはさすがにかわいそうだよね……ということで、357番編成とは運用上何かと縁の深い急行向け編成、シエルブリーク402番編成に配備されました。
402番もぽつぽつ紹介していきたいですねー。

次はサリナの妹、サンちゃんです。
  • ライブドアブログ